md-business デスクトップアプリは、Markdown で書いた業務文書(適格請求書・基本設計書・ 検証シート・API / DB 設計書)を開き、文書種別ごとの専用プレビューを表示します。左側の Markdown を 編集すると、右側のプレビューがその場で更新されます。仕上がったら A4 PDF に出力できます。すべての処理は お使いの PC の中だけで完結し、アカウント登録も外部送信もありません。
1. インストールと初回起動
2. 画面の構成
画面は 3 つの領域に分かれています。
- 上部バー — 中央にアプリ名(未保存の変更があるときは丸印が付きます)、右側に 保存・PDF・テーマ(ライト / ダーク)・ ヘルプ、およびウィンドウの最小化 / 最大化 / 閉じるボタン。
- 左レール — 開いたフォルダのファイルツリーと、変更されたファイルを示すソース管理欄。 ファイルをクリックすると開きます。
- 中央 — 左右 2 分割。左が Markdown エディター、右が プレビュー。間の仕切りをドラッグすると幅を変えられます。
3. フォルダと文書を開く
本アプリは、Markdown ファイルが入ったフォルダ単位で作業します(プロジェクトフォルダ・ 共有ドライブのフォルダ・Git 作業コピーなど)。
- 左レールの「フォルダを開く」から、
.md/.tsvファイルのある フォルダを選びます。見つかった Markdown ファイルと TSV 検証シートがツリーに一覧表示されます。 - ツリーのファイルをクリックするとエディターで開きます。右側のプレビューは、文書の
schema:frontmatter から自動で選ばれます(次項参照)。 - 開いたフォルダは記憶され、次回起動時に自動で開き直します。
templates/
に invoice / spec / test-spec / api-spec のひな型があります。ファイルをフォルダに置くとツリーに現れ、
開いて編集できます。
4. ライブプレビューで編集する
左の Markdown エディターに入力すると、入力を止めた少し後に右のプレビューが再描画されます。カーソルを動かすと、 編集中の行に合わせてプレビューがスクロール追従します。
プレビューの種類は、文書先頭の frontmatter(--- で囲むブロック)内の schema: 行で
決まります。
schema: | プレビュー |
|---|---|
invoice/v1 | 適格請求書 |
spec/v1 | 基本設計書 |
test-spec/v1 | 検証シート(テスト設計書) |
api-spec | API 設計書 |
db-spec | DB 設計書(RDB) |
nosql-db-spec | NoSQL 設計書 |
frontmatter が無い / 書式が誤っていると、プレビューの代わりに注意書きが表示されます。先頭が
--- で囲まれているか、schema: が設定されているかを確認してください。認識される
schema が無い文書は、通常の Markdown プレビューにフォールバックします。
変更は保存ボタンまたは Ctrl / ⌘ + S で保存します。文書名の横の丸印は未保存の 変更があることを示します。
5. 請求書を作成する
- 請求書のひな型(例:
templates/invoice/standard-ja.md)を作業フォルダにコピーし、2026-07-invoice-0001.mdのように名前を付けます。 - フォルダをアプリで開き、その新規ファイルをクリックします。右に請求書プレビューが表示されます。
- frontmatter の項目(売り手・買い手・登録番号・明細・税率)を編集します。合計と税区分の内訳は入力に応じて プレビューで自動計算されます。該当しない値は空のままにしてください(ダッシュや「N/A」で埋めない)。
- Ctrl / ⌘ + S で保存し、第 7 項の手順で PDF を出力して受け渡します。
6. 検証シートを記入する
検証シートは、右側が読み取り専用プレビューではなく編集可能なグリッドで開き、表計算のように
結果を直接記入できます。グリッドで開くのは、ファイル先頭にマジック行
#! md-business:test-spec-tsv/v1 がある カスタム TSV 形式の検証シートです
(schema: test-spec/v1 の Markdown 検証シートは、グリッドではなく読み取りプレビューで開きます)。
新しい検証シートを作る
列の組み合わせを選ぶだけで、白紙から作れます。左レール右上の +(ルート直下に作る)か、 ツリーのフォルダを右クリック →「検証シートを新規作成」(そのフォルダの中に作る)を押すと、 次の 3 つを聞くダイアログが出ます。
- ひな形 — 用意されている列の組です。 試験ケース(項目 / 手順 / 期待結果)は手順どおり実施して結果を残す形、 観点表(分類 / 観点 / 確認方法)は確かめたい点を挙げて抜けを探す形です。 どちらも結果・実施日・担当・備考の列が付きます。
- ファイル名 —
.tsvは省略できます(自動で付きます)。 - タイトル — 任意です。入れるとシート冒頭のタイトルになります。
作成するとそのままグリッドで開きます。同じ名前のファイルが既にある場合は上書きせず、理由をダイアログに
表示します。ひな型ファイルから始めたい場合は、これまでどおり
templates/test-spec/standard-ja.tsv
を作業フォルダにコピーしても構いません。
記入する
- セルをクリックして入力します。矢印キーでの移動、コピー / 貼り付けも表計算と同じ感覚で使えます。列型に応じて プルダウン / ラジオ / 日付・日時ピッカー / チェックボックスがインライン表示されます。
- グリッド上部の「全画面」切り替えでエディターを隠して記入に集中でき、Esc で 分割表示に戻ります。
- 編集内容は自動的に TSV へ書き戻されるので、Ctrl / ⌘ + S で他の文書と同じように 保存できます。
見たい行だけにする
行が増えると、直したい行までスクロールで探すことになります。グリッド上部の 「この値だけ」を押すと、選んでいるセルと同じ列・同じ値の行だけが表に残ります。 Ctrl / ⌘ + F で言葉を入れているときは「当たった行だけ」も出ます。 押すたびにさらに絞れます。
絞り込みはファイルに何も書きません。外した行は保存しても元の位置に残り、 提出物(コピー)にも全行が出ます。戻すときは「絞り込み解除」を押すか、 ファイルを開き直してください。控えにした行(表から外してファイルに残す方)とは別のものです。
絞っている間は、番号を自動で振る列(rowNumber())は数え直しません。
表に出ている行だけで振り直すと、外している行を飛ばした番号がファイルに残ってしまうためです。
紙に出す
グリッド上部の「下見」を押すと、右ペインが印刷用の版面に切り替わります。この状態でだけ PDF / HTML / 画像の書き出しが有効になります。見出し行は 2 ページ目以降にも繰り返され、 控えにした行は紙にも出ません。切り替えてもファイルは書き換わりません(「グリッドへ戻る」で 表の編集に戻ります)。
行種別・列型の記法・エスケープ・保存規則など、TSV 検証シートの詳しい書式は カスタム TSV 検証シート仕様 を参照してください。
7. PDF を出力する
- 文書を開き、右側にプレビューが表示されている状態にします。
- 上部バーの PDF(または Ctrl / ⌘ + P)を押します。プレビューが A4 ページ として組まれた状態で、システムの印刷ダイアログが開きます。
- 出力先に 「PDF として保存」を選んで保存します。プレビューと 1:1 の PDF になります。
PDF ボタンは、文書プレビューが表示されている間だけ有効です(グリッド編集中や Git 差分表示中は対象外)。 検証シートを PDF にするときは、グリッド上部の「下見」へ切り替えてから押します (第 6 項)。
8. Git で変更を管理する
開いたフォルダが Git 作業コピーの場合、左レールが変更ファイル(追加・変更・未追跡)を色で示します。ソース管理欄で 変更ファイルをクリックすると、右ペインがプレビューの代わりに差分表示に切り替わります。通常どおり 別のファイルを開けばプレビューに戻ります。commit の前に、自分が何を変更したかを正確に確認できます (commit は普段お使いの Git ツールで行ってください)。
共有リンクで同じ文書を見てもらう
同じリポジトリを各自が複製して使っている場合、ツリーのファイルを右クリック →「共有リンクをコピー」で
md-business:// で始まるリンクが得られます。チャットやメールで渡すと、受け取った相手が押したときに
本アプリが起動(すでに起動していれば前面に出て)、同じ文書が開きます。
9. レイアウトとテーマ
- 分割幅の調整 — エディターとプレビューの間の仕切りをドラッグします。ダブルクリック (または仕切りにフォーカスして Enter / Home)で 50/50 に戻り、矢印キーで微調整できます。 設定した比率は記憶されます。
- ライト / ダークテーマ — 上部バーのテーマで切り替えます。プレビューも 同じテーマに追従します。
10. AI アシスタントとつなぐ(MCP)
アプリは起動と同時に、この PC の中だけで動く MCP サーバーを内蔵で立ち上げます。AI アシスタント(Claude Desktop など)をつなぐと、いま開いているフォルダの業務文書をアシスタントが 読み書きできるようになります。
つなぐ手順
- 右のサイドパネルを開き、
MCPタブを選びます。 - 「接続設定を写す」を押します。AI クライアントの設定へそのまま貼れる JSON が クリップボードに入ります。
- AI クライアント(Claude Code / Claude Desktop / Cursor / Cline など)の MCP 設定へ貼ります。
写される内容は次の形です。
{
"mcpServers": {
"md-business": {
"type": "http",
"url": "http://127.0.0.1:ポート/mcp",
"headers": { "Authorization": "Bearer トークン" }
}
}
}
既に設定を持っていてトークンだけを入れ替えたいときは、隣の「接続トークンを写す」を 使ってください。
接続先は次に起動しても変わりません
ポートとトークンはアプリの設定フォルダに保存され、次回以降も同じ値で立ち上がります。一度貼った 設定はそのまま使い続けられます。(保存済みのポートが他のソフトに使われていた場合だけ、 空いているポートへ移り、新しい値が保存されます。その場合は設定を貼り直してください。)
トークンを作り直したいときは、下記のファイルを消してからアプリを起動し直します。新しいトークンが 発行されるので、AI クライアント側の設定も貼り直してください。
- Windows:
%APPDATA%\io.github.meta-taro.mdbusiness\mcp.json - macOS:
~/Library/Application Support/io.github.meta-taro.mdbusiness/mcp.json
できること・届く範囲
つないだアシスタントは、業務文書の読み取り・検証・検索・作成・更新ができます。 アシスタントが書き込むと、アプリ側の一覧とプレビューも自動で追いつくので、操作は不要です。
検証シートは行ごとに編集できます。「3 行目の結果を OK にして実施日を入れて」のように 頼むと、その行だけが書き換わります。触っていない行はそのまま残るので、変更履歴に余計な差分が出ません。 列は名前で指定するため、列を並び替えても指示の仕方は変わりません。選択肢にない値も書き込めますが、 どのセルが書式に合っていないかは併せて返るので、書きかけのまま進めて後から直せます。
サーバーはこの PC のループバック(127.0.0.1)だけを受け付け、トークンが一致しない要求は
拒否するため、外部から届くことはありません。アシスタントが触れる範囲も
アプリで開いているフォルダの中だけで、フォルダを切り替えると追従します。実行された操作は
MCP タブに履歴として残るので、何が読み書きされたかを後から確認できます。
MCP は付加機能です。動かせない環境(Node ランタイムが見つからない場合など)でもアプリの他の機能は 通常どおり使えます。その場合は MCP タブに理由が表示されます。
11. アプリを更新する
起動時に新しいバージョンを自動確認するほか、ヘルプ →「更新を確認」からいつでも確認できます。 更新がある場合はダウンロード後に署名を検証してからその場で適用されるため、ダウンロードページから入れ直す 必要はありません。ヘルプのポップオーバーには現在のバージョン・キーボードショートカット・ライセンスも表示されます。
12. キーボードショートカット
| 操作 | Windows / Linux | macOS |
|---|---|---|
| 保存 | Ctrl + S | ⌘ + S |
| PDF 出力 | Ctrl + P | ⌘ + P |
| 分割を 50/50 に戻す(仕切りにフォーカス時) | Enter / Home | Enter / Home |
| グリッド全画面を抜ける | Esc | Esc |
検証グリッド
検証シート(TSV)をグリッドで開いているときは、表計算と同じ感覚のキー操作が使えます。
| 操作 | Windows / Linux | macOS |
|---|---|---|
| セルを移動 | ↑ ↓ ← → / Tab | ↑ ↓ ← → / Tab |
| セルを編集 | Enter / F2 | Enter / F2 |
| 編集を確定して下のセルへ | Enter | Enter |
| セルの中で改行(手順・期待結果・備考など複数行の列) | Alt + Enter / Ctrl + Enter / Shift + Enter | ⌥ + Enter / ⌘ + Enter / Shift + Enter |
| 選択範囲を広げる | Shift + ↑ ↓ ← → / Shift + Home / Shift + End | Shift + ↑ ↓ ← → / Shift + Home / Shift + End |
| 表全体を選択 | Ctrl + A | ⌘ + A |
| 選択範囲をコピー | Ctrl + C | ⌘ + C |
| 貼り付け | Ctrl + V | ⌘ + V |
| 選択範囲を下へ埋める | Ctrl + D | ⌘ + D |
| 元に戻す / やり直す | Ctrl + Z / Ctrl + Y | ⌘ + Z / ⌘ + Y |
Home / End は行頭・行末へ、Ctrl(macOS は ⌘)を足すと表の左上・右下へ移動します。 Shift と併用すると、移動でなく選択範囲の伸長になります。
Ctrl + D は選択範囲の先頭行の値を下の行へ配ります。結果・実施日・担当のように 同じ値を何十行も入れる場面で、1 行目に入れてから下へ広げて押します。セルを 1 つだけ選んで 押した場合は、すぐ上のセルの値を引きます。画面下の「下へ埋める」ボタンも同じ動きです。
13. 困ったときは
初回起動で「発行元不明」の警告が出る
まだコード署名をしていないため、初回起動前に OS が警告します。Windows は「詳細情報」→「実行」、 macOS はアプリを右クリック(または Control + クリック)→「開く」を 1 回行えば、以降は通常どおり 起動します。未署名ビルドでは想定内の挙動で、ファイルの問題ではありません。
プレビューに文書でなく注意書きが出る
frontmatter を読み取れていません。ファイル先頭が --- の行で囲まれているか、第 4 項の
表にある正しい schema: 値が設定されているかを確認してください。
保存ボタンが押せない(グレーアウト)
保存は、実ファイルを開いていて未保存の変更があるときだけ有効です。フォルダを開く前に表示されるサンプルは保存 できません。先にフォルダとファイルを開いてください(第 3 項)。
検証シート以外を新規作成できない
アプリ内で新規作成できるのは検証シートです(第 6 項)。請求書や設計書は
templates/
のひな型をフォルダにコピーして始めてください(第 3 項)。
質問・フィードバック
不具合の報告や質問は GitHub Issues へお寄せください。ソースコードは MIT ライセンスで github.com/meta-taro/md-business に公開しています。