学び・図学
網点 —— 点の大きさで濃さを出す(線数・点の形・角度)
網点(印刷は濃さを作れない。点の大きさを目に混ぜさせる)
この図は、下の 1 枚の YAML から描かれています。手で図形を動かしてはいません。
正本に書いてある決まりごと
印刷は、濃い薄いを作れない。 インクを置くか置かないかの 2 つしかない。中間の濃さは、点の大きさを変えて目に混ぜさせることで作る。これが網点。
「50% の網点」は、点が升目の半分を覆っているということ。升目に丸を描くと、面積 78.5% でちょうど隣と触れる。刷ると点は太る(ドットゲイン)ので、紙の上では 70% あたりで繋がる。
繋がった瞬間、そこだけ急に濃くなる(トーンジャンプ)。
| 点の形 | 繋がる % | どうしてそれを使うか |
|---|---|---|
| 丸(ラウンド) | 約 70% | いちばん安定。ただし 70% で一段濃くなる |
| 角(スクエア) | 50% | ちょうど中間で繋がるので、飛びが目に付く |
| 楕円(エリプティカル) | 約 40% と 60% の 2 回 | 繋がりを 2 回に分け、1 回ぶんを小さくする |
| どこで使うか | 線数 lpi | 1mm あたり |
|---|---|---|
| 新聞 | 85 | 約 3.3 本 |
| 雑誌・カタログ | 150 | 約 5.9 本 |
| 商業印刷 | 175 | 約 6.9 本 |
| 美術印刷 | 300 | 約 11.8 本 |
新聞が 85 なのは、紙が吸ってにじむから。 上げても潰れて損をする。
同じ模様を 2 枚重ねると、必ずうなり(モアレ)が出る。角度が近いほどうなりの周期が長く、目に付く大きな縞になる。
| 色 | 角度 | なぜ |
|---|---|---|
| 黒 K | 45° | 人の目がいちばん鈍い向き。いちばん濃い色をここへ置く |
| マゼンタ M | 75° | K から 30° |
| シアン C | 15° | K から 30°、M から 60° |
| イエロー Y | 0° | 目立たないので、残った隙間へ |
網点は 90° で元へ戻るので、15° と 105° は同じもの。この組み合わせは唯一の標準ではない。 C と M を入れ替える流儀(C 75°・M 15°)、Y を 90° や 30° と書く資料もある。動かないのは「K を 45°」「濃い 3 色は 30° ずつ」の 2 つ。濃い 3 色を 30° ずつ離し、いちばん薄い黄を 15° の隙間へ押し込む ——うなりを消すのではなく、目に障らないうなりを選んでいる。4 色が重なって出る花模様(ロゼット)が、その「選んだうなり」である。
点はインク、地は紙。 暗い画面では色が入れ替わるので、「白い」「黒い」ではなく「インク」「紙」で書いてある(見た目の明暗は画面の側で逆になる)。
①の球は計算して置いた。 法線と光の向きの内積(ランバート)で濃さを出し、点の面積がその濃さに等しくなるように半径を √(濃さ/π) × 間隔 にしてある。3 枚は同じ式で、間隔だけが違う。
見本 337(露出と EV)、見本 170(レゴのモザイク割り付け)も、連続した濃さを離散の粒へ落とす話。
正本(YAML)
examples/gallery/352-網点で濃さを出す.zumen.yaml