建築・土木

建具の開き勝手と有効開口(弧 1 本が、部屋の使い方を決める)

建具の開き勝手(弧 1 本が、部屋の使い方を決める)

建具表の開閉記号(V の先が吊元)と、開き戸の有効開口が内法から扉厚を引いた値になること、開き戸が占める 4 分円の床、バリアフリーの廊下幅と出入口幅、開き勝手の決め方

この図は、下の 1 枚の YAML から描かれています。手で図形を動かしてはいません。

正本に書いてある決まりごと

建具表の開閉記号は、V の先が吊元(丁番の側)。記号が言っているのは「どちら向きに開くか」ではなく「どこが動かないか」 ——吊元が壁のどちら側かで、家具を置ける壁も、スイッチを付けられる壁も、隣の扉とぶつかるかどうかも決まる。平面図の 1 本の弧が、その部屋の使い方を決めている。

有効開口は、枠の寸法ではない。 180° 開かない扉は、開いた扉自身が開口を狭める ——戸当たり間の内法 780 の開き戸は、扉厚 33 を引いて 747 しか通れない。車椅子に要る 800 に届かせるには、内法を 833 以上にする必要がある。引き戸なら、内法がそのまま有効開口。

開き戸は、床も使う。 扉幅 750 の開き戸は、半径 750 の 4 分円 ——0.44m²(約 0.3 畳)が、物を置けない床になる。引き戸が狭い部屋で選ばれるのは、有効開口だけでなくこの床のため(代わりに引き込む側の壁 1 枚が使えなくなる)。

通れる幅は、基準と体で決まる。 住宅の通路の有効幅員は、住宅性能表示(評価方法基準の高齢者等配慮対策等級)で等級 3・4 が 780 以上(柱等の箇所 750 以上)、等級 5 が 850 以上(同 800 以上)。出入口は等級 5 で 800 以上。不特定多数が使う建物の経路の出入口も 800 以上(バリアフリー法施行令 第 19 条)。ただし車椅子は直角に曲がれないので、扉を出てすぐ曲がる間取りでは 800 で足りないことがある(何 mm 要るかは廊下の幅との組み合わせで決まる。この図では数を出さない)。

開き勝手は、好みでは決めない。 便所・洗面が外開きなのは、中で人が倒れると内開きが開かなくなるから。劇場・映画館・集会場の客用の屋外出口は、内開きにしてはならない(建築基準法施行令 125 条 2 項)——避難する人が押し寄せると、扉を引く空間が人で埋まる。

正本(YAML)

examples/gallery/265-建具の開き勝手と有効開口.zumen.yaml

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